企業のデータ活用「人材の社内育成と産学連携を」 国内初データサイエンス学部の滋賀大学長に聞く
人材育成には産学連携が大事
――ここ数年でデータサイエンス学部を設置する大学が増えました。先駆者として何を強みにしていますか。
学部設置時に専門教員を10人程度採用した。ここまで陣容をそろえている大学はあまりない。カリキュラムも就職後の即戦力を意識している。1、2年時には基礎的な学習を行うが、3年生以降はPBL(Project Based Learning=課題解決型学習)を導入しており、企業が協力する形で実践を詰める内容にしている。
――なぜ企業との協力を重視しているのでしょうか。
学生が入社後も自信を持って活躍できるようにするためだ。現在は企業に入ってからデータサイエンスを勉強するより、即戦力としての人材が求められる傾向にある。企業側もデータサイエンスを専門とした部署が設置されていないケースが多い。人材は大学だけで育成するにも限界があるので、産学連携を通じた教育をしっかり行っていかないと対応できない。
――丸7年が経ちました。どのような手応えを感じていますか。
そもそものスタートは経済学部、教育学部に次ぐ第3の柱として新たな学部を設立したいというものだった。そこから7年、実績とブランド力がしっかりついてきたと思う。学部の卒業生でITやコンサルティング会社に加えて、金融や製造業、メディアなど幅広い業種に就職実績が積み重なってきた。就職してすぐにデータサイエンティストとして活躍する事例も出てきている。入学する学生も滋賀県内はもちろん関西圏や中京圏を中心に広域化しており、認知度も高まっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら