18歳人口が急減する日本では、私立大の半数以上が定員割れで、赤字も4割に達する。一方、研究成果の社会還元など大学の新たな役割も期待されている。では、そんな中で勝ち組となる「本当に強い大学」はどこか?
『本当に強い大学2024』は、入試から教育・研究、就職まで今の大学がわかるテーマを徹底取材し、1冊にまとめた「週刊東洋経済」の臨時増刊号だ。その誌面から、注目記事をお届けする。
理系学生の引き上げを狙う
「自然科学(理系)分野の学部生割合を、2032年までにOECD諸国でもトップクラスの5割程度に引き上げる」
22年5月の「教育未来創造会議」で岸田文雄首相が掲げた目標を受けてスタートしたのが、文部科学省の「大学・高専機能強化支援事業」だ。
22年度の補正予算で3002億円を確保し、基金を創設。大学がデジタル・グリーンなどをはじめとする成長分野の学部を新設、転換する際の費用を助成する。
国が理系学部拡充を支援する背景には、日本のデジタル競争力の低さや、成長分野を担う人材の不足がある。
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