東洋経済「私立大学財政データ」から見るランキング。ここでは「寄付金」の多い私立大学上位200校を紹介。
私立大学の収入の柱は、学生が支払う入学金や授業料といった「学費」(学生生徒等納付金)で、全収入の6~7割を占めている。さらに国や自治体からの補助金を得ているが、これだけでは教育や研究の費用を賄いきれない。
そこで各大学は、外部資金の獲得に注力している。外部資金とは、研究受託などの事業収入や、資産運用による収入などが挙げられるが、大きいのが「寄付金」だ。
質の高い教育を実現するために、卒業生や在学生の保護者、大学関係者、企業などから寄付金を募っている。では各大学の寄付金の額はどの程度になっているのか?
それを把握するために作成したのが、「寄付金収入が多い私立大学ランキング」だ。
資金収支計算書の「寄付金収入」でランキング
寄付金の実績は、大学のホームページなどで開示されていることが多いが、今回は横並びで比較ができる財務諸表から、その金額を調べた。財務諸表の中で、寄付金の金額は、事業活動収支計算書と資金収支計算書に記載されている。
事業活動収支計算書の場合、「教育目的」の寄付金と「施設整備」のための寄付金にわかれ、施設整備の寄付金は特別収入の部に入るので、公開データだけでは金額を読み取れない大学も少なくない。
そこで、今回は東洋経済「私立大学財政データ」をベースに、2022年度(2023年3月期)の資金収支計算書の「寄付金収入」をランキングに使った。
資金収支計算書は文字どおり、資金の収支を把握するもので、基本的にキャッシュの収支と考えてもらえればいい。
つまり、主に現金で得られた、寄付金の額ということになる。一方で、書籍の寄贈や施設の提供など、「現物寄付」は算入されていない。大学の収支を把握する事業活動収支計算書には現物寄付が算入されているため、大学によって金額には大きな差があるので注意していただきたい。
あわせて大学の規模を表す総資産を併記した。大学の規模に対してどれだけの寄付金を得ているか、その参考にしてもらいたい。
では、ランキングを見ていこう。1位は慶應義塾(慶應義塾大学)で、金額は62.59億円だ。2021年度は89.18億円、2020年度は112.83億円集めていたが、減少が続いている。
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