前回までご紹介したように、国立大学は運営費交付金が大きなウエイトを占めている。ただ、文部科学省の資料によると、国立大学運営費交付金は2004年度の1兆2415億円から2024年度には1兆784億円に減少している。年々削減が続き、大学経営は苦しさが続く。
そうした中で安定した経営を行うためには外部資金の獲得が大きな課題となっている。受託研究や受託事業などもあるが、とくに企業や卒業生、一般市民などからの寄付金に大きな期待が集まっている。
では、現状の大学への寄付はどのような状況なのか。「東洋経済・国公立大学財政データベース(2024年版)」(データは2022年度)を使い国立大学の寄付金について見ていきたい。
寄付金の貢献度が高い大学は?
国立大学で企業の売上高に当たるのが、「経常収益」だ。内訳は国からの交付金である「運営費交付金収益」、授業料・入学金・検定料といった「学生納付金収益」はじめ、「受託研究収益」「受託事業等収益」「寄付金収益」などがある。医学部があれば「附属病院収益」も加わる。
今回は附属病院の有無の影響を除外するために経常収益から附属病院収益を引いた金額に対する寄付金収益の比率を出し、高い順にランキングした。上位は大学経営で寄付金の貢献度が高い大学ということになる。
なお、この寄付金収益は損益計算書に記載されているが、使途目的が決まった時点で計上される科目のため、その年に実際に受け入れた金額とズレが生じていることには注意してほしい。
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