東京大学の授業料値上げが話題になっている。年間53万5800円から国立大学に認められている上限(2割値上げ)の64万2960円にすることを検討し、教育環境の整備を進める予定という。
この授業料値上げは大学経営にどのくらい効果があるのだろうか。今回は「東洋経済・国公立大学財政データベース(2024年版)」(データは2022年度)を使い国立大学の授業料や入学金など学生が負担する金額について見ていく。
国立大学で企業の売上高に当たるのが、「経常収益」だ。内訳は国からの交付金である「運営費交付金収益」、授業料・入学金・検定料といった「学生納付金収益」はじめ、「受託研究収益」「受託事業等収益」「寄付金収益」などがある。医学部があれば「附属病院収益」も加わる。
今回は経常収益に対する学生納付金の比率を出し、低い順にランキングした。上位は大学経営に学生納付金の影響が低い大学ということになる。
医科大学が上位にランクイン
では、ランキングを見ていこう。1位は滋賀医科大学、旭川医科大学の2校で1.8%。滋賀医科大は経常収益354億円に対して学生納付金は6.5億円。附属病院収益が251億円で、国からの運営費交付金収益が57億円と多くを占める。ただ附属病院は診療経費や人件費負担も大きく、今回のようなランキングでは経常収益から附属病院収益を除外して判断するやり方も考えられる。
同じく旭川医科大は経常収益336億円に対して学生納付金は6億円。附属病院収益が247億円で、国からの運営費交付金収益が49億円となっている。
3位は浜松医科大学の1.9%。4位は東京工業大学との統合を控える東京医科歯科大学2.6%と医科大学が上位となった。
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