国立大学への国の資金の増額を検討する時期に来ているのではないか。
「もう限界です」
国立大学協会理事会は6月7日、国立大学を取り巻く物価高や円安などによる財政状況の悪化について、国民に理解を求める声明を出した。
9月24日には東京大学が教育学修環境の改善を理由に、授業料を53万5800円から64万2960円へ値上げすると発表した。
「受益者負担の原則で国立大学の学納金を年間150万円に」という慶応義塾・伊藤公平塾長が3月に出した提言も話題となり、国立大学の授業料値上げの方向性は強まっている。
だが、国立大学が授業料の値上げで得られる収入増は、実は限定的と言わざるをえない。
学生納付金収益が収入全体に占める比率は16.3%
国立大学で、企業の売上高に当たるのが「経常収益」だ。
その内訳は、授業料・入学金・検定料といった「学生納付金収益」のほか、国からの交付金である「運営費交付金収益」、国や民間企業などから研究を受託することで得られる「受託研究収益」、国や自治体からの「補助金収益」などだ。医学部があれば「付属病院収益」が加わることもある。
こうした経常収益のうち、付属病院収益を除く金額の主な収入は図のようになっている。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら