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〈アリーナラッシュの仕掛け人に聞く〉Bリーグの島田チェアマンが激白…「アリーナは想像しなかった数に」「ムーブメントを起こした責任はある」

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夢のアリーナ構想を打ち出したBリーグの島田慎二チェアマン。ムーブメントを起こした責任を果たすために、アリーナの持続的運営に向けて2つの取り組みを準備をしているという(撮影:今井康一)
全国で次々と誕生するスタジアム・アリーナ。建設ラッシュを大きく後押ししたのが、プロバスケットボールのBリーグが2021年に掲げた「夢のアリーナ」構想だ。東洋経済の調べでは、9月以降に新設・改修を予定しているスタジアムとアリーナ65カ所のうち27カ所で、主にBリーグのクラブが拠点活用することが想定されている(全国65構想の詳細な一覧はこちら)。
Bリーグは、2026~2027年シーズンから競技成績による昇降格を廃止。一方で収容人数5000席以上かつVIP席などを併設するホームアリーナを確保することを、トップカテゴリー「Bプレミア」への参入条件の1つとした。狙いとして掲げるのは「クラブ・アリーナを軸とした地域の発展」だ。
ただ、建設費高騰や資金調達の難航により、計画に狂いが生じる事例も現れている。多くは税金が投じられる可能性があることから、住民の反対運動や議会での論争に発展しているケースもある。
こうした状況を、アリーナ構想の旗振り役はどうみているのか。Bリーグの島田慎二チェアマンに、構想を打ち出した背景や、現状への問題意識をたずねた。

構想を打ち出した当初は非難轟々だった

――全国でアリーナの新設計画が相次いでいます。

4年前、アリーナの確保や、入場者数などの領域で結果を出さないと上のカテゴリーに入れないという、世界で初めての構想を宣言した。当時はコロナ禍だったうえに、東京オリンピックに関連してハコモノ批判が起きていたこともあり、非難轟々だった。

だが、結果的には建設中、計画しているものも含めて、アリーナは当時想像もできなかった数になった。

――一定の基準を満たすアリーナの確保をBプレミアへの参入条件としたのは、なぜでしょうか。

「体育館ではなくアリーナ」ということだ。現状では、普通の体育館で多くのお金と時間をかけて席を組んだり天井にビジョンをつるしたりしているが、奥の席は試合も見づらいなどの限界がある。もともと体育館は競技をできればいいという施設で、観戦するファンの目線があるわけではない。

それではバスケットボールがメジャースポーツとして、野球やサッカーに追いつくのは難しい。人気やプレゼンスの向上と会場(の大きさやスペック)には因果関係がある。アリーナはどこからでも、プレーやコンサートのパフォーマンスが見やすい作りだ。広いコンコースで飲食やグッズ販売をするなど、楽しい空間に仕立て上げられる。

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