アメリカのドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席が貿易戦争で1年間の休戦に合意し、中国が導入したレアアースなど重要鉱物の厳格な輸出管理が一時的に緩和された。ヨーロッパ各地の産業界には安堵が広がった。
ヨーロッパは重要鉱物で中国に依存
とはいえ、根底にある構造問題が変わったわけではない。レアアースなどの採掘・精錬で圧倒的な能力を持つ中国は世界のサプライチェーンを支配しており、ヨーロッパが危険なまでに中国に依存している現実は続いている。
バッテリー製造を支えるリチウム、コバルト、グラファイトもそうだが、ヨーロッパは電気自動車や風力発電タービン、防衛システムなどに使用するレアアース磁石のほぼ全量を輸入している。
こうした原材料の精錬のほとんどが域外で行われている以上、中国による輸出規制の一時停止は、ヨーロッパにとって単なる時間稼ぎにしかならない。
よって問題はただ1つ、この猶予期間を使って、将来のショックへの備えを進められるかどうかが問われている。
カギとなるのはレジリエンス(弾性)、すなわち重要産業を麻痺させるショックを吸収する能力だ。サプライチェーンの多角化や域内能力の構築、リスク管理の制度化を加速しない限り、次の供給危機は少なくともこれまでと同様に手痛いものとなる。
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