ヨーロッパ連合(EU)は「重要原材料法」で、域内消費量の10%を域内で採掘し、40%を域内で精錬し、25%を域内でリサイクルするという野心的な目標を掲げている。
筆者が副総裁を務めるヨーロッパ投資銀行(EIB)は、重要原材料のサプライチェーンを域内外で強化するプロジェクトへの支援を拡大している。ヨーロッパの産業が長期にわたり安定して、こうした原材料を確実に入手できるよう、EIBは年間約20億ユーロ(約3600億円)の資金供給を行う予定だ。ドイツの銅リサイクル施設、フィンランドのリチウム生産、フランスの大規模バッテリー工場に対するEIBの最近の支援は、足並みのそろった官民投資の有効性を示すものといえよう。
孤立からレジリエンスは生まれない
こうしたヨーロッパの投資連携に対し、国家がより直接的に介入するアプローチをとっているのがアメリカだ。
アメリカ国防総省は、同国で唯一稼働しているレアアース鉱山を持つMPマテリアルズの最大株主となった。アメリカ政府はさらに、カナダの鉱物資源会社の株式を取得するなど、レアアースやその他の重要鉱物を世界的に確保する措置も進めている。そうした政策環境の中、アメリカではアップルのような民間セクターの主要企業も原材料の国内調達を約束するようになった。
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