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【独占インタビュー】ローム社長の反省「ちょっとやりすぎた」――20年ぶりの成長をもたらした"パワー半導体バブル"の重すぎる後遺症
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製造子会社トップだった東克己氏が4月に社長就任、方針転換を打ち出した(撮影:ヒラオカスタジオ)
EV(電気自動車)などに多く搭載される、次世代パワー半導体の「SiCパワー半導体」。大手半導体メーカーのロームはこの3年間、EV市場の拡大を見越して前例にないほどの巨額投資を進めてきた。(関連記事はこちら)
が、EV市場は急失速し、競合も台頭。結果として膨らんだ「過剰投資」によって、2024年度は400億円を超える過去最大の営業赤字を計上した。
業績不振の中、今年4月に製造子会社トップを務めていた東克己氏が新社長に就任。過去3年間で進めてきた巨額投資・拡大路線から一転し、人員削減や工場再編といった大規模なリストラ策を打ち出した。
業界内からは「ロームの投資回収計画は完全に狂った。SiCからは撤退するしかない」との声も聞こえる中、どう会社を立て直すのか。また、3000億円を出資している東芝との関係や、業界再編へのスタンスは。
投資ストップの経営判断が遅れた
——社長就任後、これまでの拡大路線から打って変わり、大規模なリストラなど守勢を強いられています。
今回の大きな赤字は、経営判断の遅れや「ちょっとやりすぎた」感が大きい。
人も工場も多く、会社が肥大化しすぎている。本来ならもっと前から手を付けておくべきだったが、工場が変わるとお客さんが嫌がる。見て見ぬふりをしていたものもたくさんあった。
だがこんなに赤字を出した今なら、営業も腹をくくっている。これをやらなければロームの生死に関わる。やらないと会社が生き残れない。

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