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株高で加速する「みずほ・楽天」の証券連携、みずほ証券・浜本吉郎社長「全方位型の営業はやめる」

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みずほ証券浜本社長
浜本吉郎(はまもと・よしろう)/1967年生まれ。1990年慶應義塾大学経済学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。1997年ペンシルベニア大学経営大学院修了。2018年みずほセキュリティーズアジア社長、2019年みずほ証券執行役員。2020年みずほフィナンシャルグループ常務執行役員、みずほ証券常務執行役員を経て、2021年4月から社長(撮影:梅谷秀司)
日本株が絶好調だ。春先の暴落から一転して、9月下旬には日経平均株価とTOPIXがともに最高値を更新した。証券会社にとっては朗報だが、今後は資産が増えた投資家に対する踏み込んだ提案や、活況を受けて新たに投資を始める人の受け皿になれるかが重要になる。足元の株価動向や楽天証券との提携、注力する富裕層営業の進捗について、みずほ証券の浜本吉郎社長に聞いた。

今の日本株は「割高ではない」

――日本株が好調な理由は。

4月時点の不透明感が払拭されたことが大きい。当時はアメリカの関税政策が企業収益にどれほど影響を及ぼすかが見通せなかった。

その後、日米が新たな関税措置で合意したことに加え、企業も価格転嫁やコスト削減、生産性向上などで関税の影響をある程度吸収できることがわかり、株価の底値が切り上がっていった。日本企業の保守的な業績予想が上方修正されることへの期待も株価を押し上げている。

――とはいえ、やや一本調子で上がっている印象も受けます。

確かに、8月まではバリュー株からグロース株まで幅広い銘柄で伸びていたが、9月に入ってからは半導体関連が突出している。

とはいえ、今の水準が割高というわけではない。株価は「稼ぐ力」と「利益成長」で形成される。業績予想にPER(株価収益率)16倍程度をかけると、4万5500円くらいでちょうどフェアバリュー。25日移動平均線との乖離率から見ると、4万6000円前後で売りが出るかもしれないが、日柄調整をしながら値固めをすれば、さらに上を目指せるかもしれない。

――年末には日経平均が5万円に到達する、という見方も浮上しています。

今の利益見通しが2%修正されると、日経平均は4万6500円(がフェアバリュー)だ。さらにPERが17倍になれば4万8000円台を目指せるかもしれない。ただ、政権交代で経済政策が変わる期待は織り込み済みだ。アメリカ株のさらなる上昇といったカタリストがなければ、足元のファンダメンタルズからすると(5万円到達には)もう少し時間が必要だと感じる。

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