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SMBC日興、米大手証券ジェフリーズと「日本株事業統合」の勝算/リテール分野ではSBIグループと「デジタル富裕層」を開拓

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SMBC日興証券はアメリカの総合証券会社であるジェフリーズと、日本株事業を統合する(撮影:尾形文繁)
SMBC日興証券が外部パートナーとの提携を進めている。9月19日、アメリカの大手証券会社、ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの間で合弁会社「SMBC日興ジェフリーズ証券」を設立すると発表。両者の日本株事業を統合するとともに、ジェフリーズの海外ネットワークを活用し、日本企業の株式引き受けやリサーチ業務を強化する。
一方、リテールでは三井住友フィナンシャルグループが資本業務提携を結ぶSBIグループと協業する。9月5日には、SBIグループなどと共同で「Olive(オリーブ)コンサルティング」を設立した。スマートフォンなどのデジタル取引に慣れた新興富裕層向けに、資産運用を助言する。ホールセール、リテールそれぞれの展望について、SMBC日興証券の吉岡秀二社長に聞いた。

 日本株事業をグローバル展開へ

――ジェフリーズとの提携に期待することは。

海外で商業銀行業務を展開している三井住友銀行(SMBC)とのシナジーを考えれば、グローバルでのCIB(投資銀行業務)ビジネスは非常に重要だ。

もともと海外ではDCM(債券関連業務)を順調に進めてきた。DCMはバランスシートと密接につながっている。SMBCが融資を、われわれがDCMを支援する形で連携しており、米国内でも投資適格社債の引き受けは10位以内に入ってきている。外債なら日系証券の中では1位だ。

かたやECM(株式関連業務)は、自前でやるには難易度が高い。われわれも海外拠点はあるが、日本株だけに投資している投資家は少なく、グローバルでサービスを提供することが重要だ。その点で、ジェフリーズとはシナジーが働く。

日本国内なら、われわれはECMで2位、日本株のリサーチで1位。ジェフリーズはECMでグローバル6位、アナリストカバレッジ銘柄数は1位だ。国内の強固な基盤とジェフリーズのプラットフォームを融合させれば、グローバルに展開する日本株事業を構築できる。

われわれもジェフリーズもキャッシュ(現物)には強いが、デリバティブは限定的だ。SMBCのバランスシートも活用しつつ、デリバティブでも優位性のあるプラットフォームを構築したい。M&Aにおいても、クロスボーダーの取り組みが加速していくだろう。

――合弁会社「SMBC日興ジェフリーズ証券」では、日興側が議決権の6割を握ります。

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