83歳証券会社会長が語る「バブルとの決定的違い」 岩井コスモ証券・沖津会長インタビュー

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岩井コスモ証券・沖津会長
インタビュー中に日経平均が高値を更新。沖津会長はいても立ってもいられず、記者とともに顧客の売買注文を受けるコールセンターの様子を見に行った。後ろには詰めかけた報道陣が多数(記者撮影)
日経平均株価が史上最高値を更新した瞬間、小さなくす玉を割って歓声を上げる証券会社の従業員たち――。そんな映像をニュースなどで目にした人もいるのではないか。
その現場の1つとなったのが、中堅証券会社の岩井コスモ証券だ。高値を更新した2月22日午前。そのとき東洋経済は沖津嘉昭・会長CEO(83)に取材していた。

企業が進化してきている

──日経平均が1989年のバブル時につけた3万8915円を超えました。

当時、営業の現場の第一線にいた人間としては感慨深いね。日本経済が潰れるようなことがない限り、更新する日はいずれ来ると思っていた。ただ、2009年に7054円の最安値をつけたころは、「3万8915円なんて生きているうちはもうないだろう」とも思った。

バブル崩壊後の兜町で、「あの華やかさは何年後にくるんですかね」と証券投資をしている人に話を振った記憶がある。「2度とないですよ、あんなのは」とやけっぱちで言われた。

──ここまで上昇した理由をどうみていますか。

企業業績が好調なうえに、企業が進化してきている。日立製作所の株価が今いくらかご存じ?

──1万2000円くらいですね。

普通の人は500円とか言うんですよ。恥をさらすようだけれど、しばらく前まで私も知らなかった。昨年の今頃だと7000円くらいかな。800円くらいかと思っていた。

日立は現在、再生可能エネルギーの市場拡大を背景に送配電システムを海外で提供し、大きな利益を上げている。個人の方だとエアコンや冷蔵庫をイメージする人も少なくないだろうが、事業が進化している。1株当たり利益(2024年3月期予想は570円)をみても、地に足のついた株価だといえる。

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