83歳証券会社会長が語る「バブルとの決定的違い」 岩井コスモ証券・沖津会長インタビュー

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──今回の高値更新も海外マネー主導と言われています。日本の証券会社として寂しさのようなものを感じませんか。

グローバル化した今日、それが普通だと受け止めている。お金の世界には国境がない。嗅覚が鋭いので、儲かるものへワーッと集まり、だめだと判断したらサーッと出ていく。

企業においても、日本の大手が海外資本の傘下になっても構わないと思っている。日本人がそこで働けて、きちんとした経営をしてもらえて発展していけるなら、それでいいというのが私の考えだ。

あの時代に戻ってはいけない

──証券界を取り巻く風景も、この34年で変わったのではないでしょうか。作為的に相場を形成していく「仕手筋」も跋扈(ばっこ)していました。

今、高揚感を感じないのは、そういう人たちがいなくなったこともあるのかもしれない。

バブル当時は仕手の旗振り役や仕手に群がる人たちがいて、お金が乱舞していた。仕手筋を証券外務員に雇ったり、仕手株を勧めたりする証券会社まであった。この辺(兜町)には証券担保金融、いわゆる街金(まちきん)の看板がいっぱい上がっていた。

岩井コスモ証券・沖津会長
沖津嘉昭(おきつ・よしあき)/1941年大阪府生まれ。1973年同志社大学大学院修了。1984年岩井証券(現岩井コスモホールディングス)入社、1990年取締役、1995年社長。岩井証券とコスモ証券の合併を機に岩井コスモ証券社長に2012年就任。2016年11月より岩井コスモホールディングスと岩井コスモ証券の会長CEO(撮影:梅谷秀司)

テレビ東京の『ワールドビジネスサテライト』が街金特集をやったときに取材のコーディネーターをしたことがありますよ。キャスターをやっていた頃の小池百合子・都知事が来た。

今は実体に基づいた、裏づけのある株価形成がなされている。郷愁はあるけれども、あのような時代に戻ってはいけない。仕手株はだまし合い。一部の人だけが儲けて、多くの人は高値づかみ。犠牲者がそうとういたはず。

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