
「ユニクロの感動ジャケットは、商談に着ていってOKか」という議論がSNSで盛り上がっています。現在主流のスーツライクな「感動ジャケット」ならば、商談に耐えうる印象を受けるかもしれません。ですが商談におけるドレスコードは、そもそも「商材の性質」や「クライアントの服装」によっても変わるもの。
つまり、この議論の本質は「感動ジャケットの是非のみならず、商談におけるドレスコードは、どこまで許容されるか」というテーマとも言えるのです。
のべ5000人を超えるビジネスマンの服選びに同行し、コーディネート相談に乗ってきた筆者が、「オフィスカジュアル時代のTPO最適解」について解説します。
ユニクロの感動ジャケットは、本当に商談OKか?
発売当初のコットンライクな生地にくらべ、スーツライクな感動ジャケットは「肩の印象がしっかり」しているため、お相手の服装によっては商談OK。これが私の結論ですが、「ビシッとしたスーツ着用の方と対峙するには、印象が浮いてしまう」リスクも否めません。その理由は、型紙に起因します。
型紙とは、生地を立体にする前の「平面的な設計図」ですが、スーツに比べ、オフィスカジュアルのジャケットは簡略化されているのです。そのため色合いや生地感については、機能を売りにした今どきのスーツに似通っていたとしても、「スーツの威厳に負けてしまう」のです。ただ誤解がないよう伝えると、スーツよりもカジュアル感が増していることが感動ジャケットの魅力でもあり、だからこそ休日に羽織っても馴染みます。
つまり一概にオフィスカジュアルジャケットが商談NGということではなく、ユーザーである我々が、「ジャケットの解像度を高めること」で、ビジネスファッションの使い分けが上手くなるということ。そのため最初に考えるべきは「なぜ商談で、身だしなみを整える必要があるのか」という本質的な疑問でした。
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