この解像度を高めるには、「構築的」という言葉の理解が欠かせません。雑誌やネットでよく見かける言葉ですが、私自身アパレル業界出身ではないため、多くの人にとってはイメージしづらいものだということがよくわかります。これは表からは見えないパーツ、表地と裏地の間に挟む「芯地」や「肩パット」の有無によって、鎧のように立体感ある様子を表す言葉です。

つまり鎧のように立体的なスーツジャケットに比べ、簡略化された型紙でつくられたオフィスカジュアルのフォルムでは、同じような開襟デザインであったとしても、威厳という意味で負けてしまうということ。そして威厳を埋めるため、オフィスカジュアルジャケットに、ネクタイを締めるのは逆効果です。
足し算では、威厳をつくれない理由
ジャケットのカジュアル感を解消するため、ネクタイなどのドレスアイテムを身につける工夫は、合理的に思えるかもしれませんが、コーディネートの視点からおすすめしません。というのもアイテム同士のバランスがチグハグになってしまい、全身の調和が崩れしてしまうからです。厳密に言えば、ネクタイの質感とジャケットのカジュアル度合いによっては成立するのですが、一人で合わせるにはリスクがあるのです。
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