〈眼鏡業界は3強体制へ〉「Zoff」の"メガネスーパー買収"が呼ぶ地殻変動 業界再編へ口火…価格帯・顧客層も異なるチェーンをどう改革する?

眼鏡業界についに再編の動きか。地殻変動の口火を切ったのは、眼鏡ブランド「Zoff」を展開するインターメスティックだった。
9月2日、同社は「メガネスーパー」を展開するHorus HDの完全子会社化を発表した。10月1日に複数の投資ファンドやエムスリーからHorus HDおよび傘下のHorusの株式を取得する。取得価格は約191億円で、手元資金と180億円の銀行借り入れで対応する。
買収により“業界3強”の一角へ
現在、眼鏡業界首位を争うのは、まずは「眼鏡市場」を展開するメガネトップ。2025年3月期の売上高は946億円で、全国に1063店舗を構える。後を追う「JINS」のジンズホールディングスは2024年8月期の売上高が829億円、店舗数は736だった。
インターメスティックの2024年12月期の売上高は448億円。今回買収するHorusの2025年4月期の売上高は281億円(前期比4.1%増)、営業利益は18.5億円(前期は5.2億円の赤字)だ。買収を経てグループ店舗数は600を超え、業界は3強体制に移行することになる。

Horusの主要子会社・ビジョナリーホールディングスは、コンタクトレンズとメガネの販売が2本柱だ。メガネスーパーが主なブランドで、全国に300店を展開。メガネではミドルからシニア層が主要顧客で、ロードサイドの店舗が多い。
一方、Zoffは業界の中では若年層にも強いチェーンだ。ファッション性とリーズナブルな価格に加え、若者向けのマーケティングを重視してきた背景がある。都市部への出店が多かったが、最近は地方のSCや駅ビルへの出店も広げつつある。両社の事業面のカニバリは少なく、シナジーが見込めると判断したようだ。
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