業界再編へ口火!Zoffがメガネスーパーを買収へ 191億円で完全子会社化…「当社こそが再編を担う立場」、眼鏡業界は一気に"3強体制"へと移行か

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メガネスーパーの店舗
1973年創業のメガネスーパー。ロードサイド・路面店舗が8割弱を占める(記者撮影)

眼鏡業界についに再編の動きか。地殻変動の口火を切ったのは、眼鏡ブランド「Zoff」を展開するインターメスティックだった。

9月2日、同社は「メガネスーパー」を展開するHorus HDの完全子会社化を発表した。10月1日に複数の投資ファンドやエムスリーからHorus HDおよび傘下のHorusの株式を取得する。取得価格は約191億円で、手元資金と180億円の銀行借り入れで対応する。

買収により“業界3強”の一角へ

現在、眼鏡業界では「眼鏡市場」を展開するメガネトップ(2025年3月期売上高946億円)と、その後を追う「JINS」のジンズホールディングス(2024年8月期売上高829億円)が首位を争っている。

インターメスティックの2024年12月期の売上高は448億円。今回買収するHorusの2025年4月期の売上高は281億円。買収を経てグループ店舗数は600を超え、業界は3強体制に移行することになる。

メガネスーパーはミドルからシニア層が主要顧客で、ロードサイドの店舗が多い。一方、Zoffは業界の中では若年層にも強いチェーンだ。ファッション性とリーズナブルな価格に加え、若者向けのマーケティングを重視してきた背景がある。都市部への出店が多かったが、最近は地方のSCや駅ビルへの出店も広げつつある。両社の事業面のカニバリは少なく、シナジーが見込めると判断したようだ。

眼鏡業界の主なプレイヤーの業績規模

今後のポイントは利益率の底上げだ。メガネスーパーのような従来の眼鏡チェーンは、メーカーや卸売り業者からの仕入れ販売が主流で、収益性が課題だ。さらに、前代表によるガバナンスの不全もあり、低い利益率、赤字体質が常態化していたという。

そこで、インターメスティックはともにPB(独自企画商品)の拡充を進める構えだ。同社の利益率は極めて高く、2025年1~6月期の粗利益率は76.8%。これは商品の企画から製造(パートナー企業に委託)、販売まで行うSPA(製造小売り)モデルで中間マージンを省くからこそ。価格帯から品ぞろえ、顧客層、店舗の立地も異なるチェーンを、PB強化で好転させることができるだろうか。

「25年前、ロープライスメガネで業界に革命をもたらした当社こそが業界再編を担う立場」。買収に関する説明資料にそう記載し、強い自負をうかがわせたインターメスティック。眼鏡業界の再編に向けたシビアな戦いが、一気に過熱しそうだ。

買収後の改革のポイントや、眼鏡業界に目下到来したとある商機などについて記した本記事の詳報版は、東洋経済オンライン有料版記事「〈眼鏡業界は3強体制へ〉「Zoff」の"メガネスーパー買収"が呼ぶ地殻変動 業界再編へ口火…価格帯・顧客層も異なるチェーンをどう改革する?」でご覧いただけます。
田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

コンビニ担当や投資雑誌編集部、通信、メディア、観光、食品、物流などを経て現在は音楽や眼鏡、靴、雑貨関連を取材。

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