「主要俳優に沖縄出身者は1人もいない」けど、あまりに凄まじい…映画『宝島』を"観てよかった"と断言できるワケ

みんな大好き、沖縄。
映画『宝島』(大友啓史監督)の出演者の1人、窪田正孝は沖縄ロケの際、水着を持っていったと『王様のブランチ』(TBS系)で語っていた。結果的に海に入る余裕はなかったそうだが。
また、オリオンビールが沖縄県内の製造業で初めて上場したことでも同県に注目が集まっている。
みんな大好き、沖縄だから、かつて大友監督が演出した沖縄が舞台の朝ドラこと連続テレビ小説『ちゅらさん』(2001年)は続編もできるほどの人気を誇り、『宝島』主演の妻夫木聡が2006年に主演していた『涙そうそう』は興収31億円の大ヒットを記録した。
『ちゅらさん』も『涙そうそう』も、沖縄人気に影響を与えた作品といって間違いはない。
映画の熱量に、頭に血がのぼった
あれから20年近く経ち、大友と妻夫木が再び沖縄を題材にした映画に臨んだ。
第160回直木賞を受賞した真藤順丈の小説を191分に凝縮した『宝島』は、沖縄が本土復帰する以前の物語である。
沖縄は海がきれいで、住んでいる人たちがやさしくて魅力的で癒される観光地という側面だけではなく、歴史に翻弄され、いまも生活する人たちはさまざまな思いを抱えている。それは戦後80年経ってもなお消えることがない。
『宝島』をはじめて試写室で見たとき、エアコンがキンキンに冷えていたのだが、映画の熱量に頭に血がのぼったようになった。
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