怒り、嫉妬、憎しみ…周りとの関係で生じるイヤな感情。スーと消える方法とは?――人生を好転させる大愚和尚の「離れる力」

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なぜなら、現実の火事と同じで、火が燃え広がらないようにするには、一にも二にも“初期消火”が大切だからです。

では、どうすればうまくいくでしょうか。

初期消火する効果的な方法

マイナス感情を初期消火する一番手軽で効果的なのは、深呼吸をすることです。

呼吸はふだん無意識に行っているものですが、深呼吸は意識的に行うことができます。つまり呼吸は、私たちの無意識と意識をつなぐ1つの機能といっていいでしょう。これはいいかえれば、「無意識のうちに生じたマイナス感情を、深呼吸で鎮める」機能です。

イヤなことがあったら、自分に矢を向けた人のいるその「現場」から少し離れて、とりあえず深呼吸をしてみてください。これだけでかなり気持ちが落ち着きます。

お経を読むのもおすすめです。お経を読むのときの、長く吐く息は副交感神経を優位にするので、心が穏やかになるのです。

『仕事も人間関係もうまくいく離れる力: いったん「距離を置く」、しっかり「一線を引く」』
『仕事も人間関係もうまくいく離れる力: いったん「距離を置く」しっかり「一線を引く」』(三笠書房)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

お経の内容は理解できなくとも、聖なる言葉にふれることのありがたさが身にしみて、妙な思考は出てこないでしょう。たとえば、有名な『般若心経』などは短く、親しみやすいお経で、初心者の方にはおすすめです。

それから、体を動かすこと。とくに効果的なのは、掃除をすることです。

自分で自分に第二、第三の矢を放ってしまうのは、決まってぼーっとしているときです。

「人間、暇だとろくなことを考えない」といいますが、それと同じで、体を動かしていないと、イヤな出来事がマイナス感情とともに何度もよみがえってくるものなのです。

掃除なら、お手軽にできる運動ですし、整理・整頓・清掃するうちに、心が沈静化され、脳の興奮もおさまり、思考が整理されます。

思えば、毎朝のお勤めとして掃除や読経を行うお寺の生活には、第二、第三の矢を放つような余計な思考をストップする仕組みが備わっているようです。

大愚 元勝 佛心宗大叢山福厳寺住職、慈光グループ会長

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たいぐ げんしょう / Gensho Taigu

佛心宗大叢山福厳寺第31代住職(福厳寺は540年続く愛知県小牧市のお寺)。慈光グループ会長。佛心僧学院学長。

僧名「大愚」は、大バカ者=何にもとらわれない自由な境地に達した者の意。動画配信サービスYouTubeでのお悩み相談番組「大愚和尚の一問一答」の登録者数は74万人を超える(2025年9月現在)。3歳で経を習い5 歳で葬儀デビューし、10歳で僧籍を得る。駒澤大学、曹洞宗大本山總持寺を経て、愛知学院大学大学院にて文学修士を取得。僧侶、事業家、セラピスト、空手家と4つの顔をもち、「僧にあらず俗にあらず」を体現する異色の僧侶。主な著書に『苦しみの手放し方』『お金と宗教の歴史』。

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