怒り、嫉妬、憎しみ…周りとの関係で生じるイヤな感情。スーと消える方法とは?――人生を好転させる大愚和尚の「離れる力」

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それなのに、人は不遜にも「自分は思い通りに動かせる」と信じ、それどころか、ときに他人の行動さえも自分の思い通りにコントロールしようと考えるところがあります。

その思い込みから離れる必要があります。

たとえば「子育て」では、親は必死になって、子どもを自分の思い通りに動かそうとします。「子どもは親のいうことを聞くもの」「ちゃんといって聞かせれば、子どもはその通りに動くもの」という思い込みがあるのでしょう。でも、うまくいった試しはありません。

また上司の立場にある人は、自分の思い通り、指示通りに部下を動かそうとします。それをできることが、優秀なリーダーの証である、などと思っているのかもしれません。でもやはり、うまくいった試しはありません。

ほかにも、自分の思い通りに他人を動かそうとして、そうならないことにいら立つ人は、そこらじゅうにいます。パワハラ、セクハラ、モラハラ、カスハラなど、近年、社会問題になっているさまざまなハラスメントがそう。お釈迦さまの説く「五蘊盛苦」を受け入れることがいかに難しいかを物語るようです。

何が部下を変えたのか?

■「人を動かしたい」という執着から離れる

ですから、「自分の思い通りに人を動かしたい」と思うのは、もうやめましょう。苦しむだけです。その執着から離れて、まずは「自分の思い通りに動かせる人は、自分を含めて誰もいない」ということを深く理解しましょう。

それが、対等な人間関係、快適な関係をつくる第一歩になります。そのうえで、自分の「ありよう」を見つめ直してください。

ここで1つ、質問です。

「入社当初は斜に構えて上司の指示通りに動かなかった人が、上司が指導方法を変えたことで、見違えるくらい責任感を持って、まじめに仕事をするようになった」と仮定して、何が部下を変えたと思いますか?

上司の部下に対する接し方や指導方法なのか。それとも上司が「部下を変えたい」と熱意を持って指導したからなのか――。

ふつうはこの二択のどちらかだと答えるでしょうけど、私はそのどちらでもないと考えます。

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