二郎系と思いきや…「冷やし中華の麺?」「野菜の量も普通」 ラーメンに本気、吉野家初の麺メニュー「牛玉スタミナまぜそば」の実態と実力

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意外だったのは「ヤサイマシマシ」にしなかったことだ。大量の野菜を盛り付けることでもう少し二郎系の見た目を目指すことはできたかもしれない。

圧倒的な中毒性を放つ「台湾まぜそば」

一方、そのまぜそばの見た目は「台湾まぜそば」を意識したものであると考えられる。

どんぶりの周りを囲うように肉やネギなど具材を綺麗に並べ、真ん中に卵を落とすその盛り付けはまさに「台湾まぜそば」だ。油そばをはじめとするまぜそばの中でも圧倒的な中毒性を放つ「台湾まぜそば」をチョイスしたのである。

さらに、汁ありの「ラーメン」ではなく汁なしの「まぜそば」であることにも注目したい。

ラーメンも当然検討したと思われるが、スープがあるのと無いのでは原価からオペレーションに至るまですべて変わってくる。吉野家の限られたスペースの厨房で作るためにはスープを温めたり注いだりすることは難しかったのだろう。

加えて、汁なしのまぜそばに振り切ることで、スープ原価をカットし、トッピング類を豪華にして見た目を整えることができる。汁がないことでテイクアウトに向いていることもポイントだ。

また、ラーメン一杯「1000円の壁」問題が叫ばれる中で、リーズナブルな牛丼チェーンでは価格を抑えなくてはならないということもある。牛玉スタミナまぜそばは698円(税込767円)と、800円を下回る吉野家としてはちょうど良い価格設定だ。汁なしをチョイスした理由はここにもありそうだ。

吉野家
税込767円と、吉野家としては標準的な価格設定だ(筆者撮影)

トッピングには吉野家秘伝のたれで煮込んだ「牛煮肉」がのる。これは同グループの「せたが屋」系列店で提供していたスタミナ牛肉ラーメンでそのおいしさは実証済みだ。

そのおいしさとともに牛丼の吉野家らしさを演出することもでき、贅沢感も相まって良いトッピングとなっている。

気になるお味はと言うと…

そして、肝心の味だ。まずそのまま混ぜて食べると節系のきいた醤油だれが絡み、さっぱりといただける。

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