ミシュランガイド。タイヤメーカーのミシュランが発行する、おいしい飲食店・レストランなどを紹介する赤い表紙のガイドブックだ。もともとは長旅に不安のあるドライバーに向けて、ドライブに欠かせないさまざまな情報をまとめた小さな冊子として、ミシュランが1900年に配り始めたのがはじまりとされている。
日本ではアジア初の「ミシュランガイド東京」が2007年秋に上陸。以後、調査エリアを拡大しながら各地域で毎年、最新版が発表されている。ここで「一つ星」「二つ星」「三つ星」という評価を得れば日本のみならず世界にもその名が知られるが、もちろん獲得できる店は限られる。
客席わずか10席の担々麺・ラーメン専門店
2016年12月2日。最新版として発売された「ミシュランガイド東京2017」に、客単価1000円前後のある料理店が、一つ星のお店として追加された。「創作麺工房 鳴龍(NAKIRYU)」。JR山手線の大塚駅から徒歩5分。東京豊島区南大塚に構える担々麺・ラーメン専門店である。客席数は10。醤油拉麺(750円)、担々麺、塩拉麺(いずれも800円)などのメニューを取りそろえる。
ミシュランガイドにおける星の位置づけは下記の通りだ。
これ以外に星は付かなくても、「5000円以下で特におすすめの食事を提供している」お店を「ビブグルマン」として紹介している。
もともとミシュランガイドにはラーメン部門がなかったが、「ミシュランガイド東京2015」よりラーメン部門が新設された。2015では星獲得の店舗は出なかったが、星は付かないものの5000円以下で食べられてコストパフォーマンスが高い「ビブグルマン」として22店舗が掲載。翌年発行された2016で初の一つ星を東京・巣鴨の「Japanese Soba Noodles 蔦」が獲得、今回の2017で「蔦」に加え「鳴龍」が一つ星獲得という流れだ。
世界に注目されるミシュランガイドで星を獲るというのは、ラーメン界としても快挙。鳴龍とはどんなお店なのか。その歴史からたどってみよう。
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