3階に戻る途中、階段を上りながら「ちょっと考えると『ああ間違いだな』ってわかるんだけど、不意に言われるとビックリするわ」とジェーンが言いました。「研修中だと生徒の間違いはまったく気にならないのに、ふだんのコミュニケーションでああいう間違いに遭遇すると、素の反応をしそうになるよね」と筆者が言うと、「わかる。さっき『What’s YOUR problem?(そっちこそおかしいんじゃないの?)』て、言いそうになった」と彼女は笑っていました。
せっかく助けてくださった女性社員の方、研修ではなかったので間違いを指摘することはできませんでした。給湯室まで案内していただいて、「英語間違ってますよ」なんて言えません。それこそWhat’s your problem?ものですよね。
早期退職して夜遊びしたい!?
金融系企業の研修でお会いした、新入社員のジローさんは元気でノリのいい方でした。先輩社員に交じって参加していましたが、みんなにいじられたり、助けられたりする愛されキャラ。研修中に正解すれば冷やかされ、失敗すれば応援され、本人も毎回楽しそうに出席してくれていました。
この研修では、スピーチを自宅で書いてきて、クラスで発表するというプレゼンテーションの基礎練習を行っていました。人前で話すと言うのは、日本語でもなかなか難しいですよね。アイコンタクトの取り方や姿勢、声の大きさから話すスピード、間の取り方やジェスチャーの使い方など、意識するところがたくさんあります。ましてや、英語でそれを行うとなると、そう簡単に行かないのは当然です。
ジローさんがちょっと照れ臭そうにしてくれたスピーチの中からひとつ、よくある間違いを紹介します。先ほどのyour problemとthe problemではありませんが、冠詞や人称代名詞の所有格は日本人にとっては永遠の課題ですね。ジローさんの間違いも、1語違いでまったく別の意味になってしまうものですので、皆さんも覚えておいてください。
ジローさんのスピーチはMy Career Plans(私のキャリアプラン)というタイトルでした。新人らしく、大きく夢を語ってくれるのだろうと思ったら、内容的には8割がた「今年の目標」という感じで、これまた先輩社員の格好のターゲットに。この目標の中にその間違いはありました。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら