英語の落とし穴は「中学レベル」にあった! うっかりでは済まない、大誤解を招くことも

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ジローさん、まだまだ仕事に慣れないようで事務仕事が遅く、毎日のように残業をしているよう。早く仕事のスピードを上げかつ正確にできるようにして、もっと早い時間に退社するというのが目標とのことでした。この時にジローさんの言った英文がI will leave office earlier because I want to enjoy nightlife.でした。「アフターファイブを満喫するために、もっと早く退社できるようにします」と言いたかったのだと思いますが、この文だと「夜遊びするために早期退職します」という意味になってしまいます。1年目にして早期退職宣言!

「the」がポイント!

今回のポイントはleave officeです。退社するというのはleave the officeと言います。theを抜いてしまうと、officeの意味が変わります。the officeでは「職場・会社(の建物)」を指しますが、officeとすると「役職、ポジション」という意味になります。

もちろんジローさんはまだまだ新人ですので「役職」と呼べるところには付いていないのでしょうが、leave officeは「退任する・退職する」という意味になります。聞き手も、通常文脈で間違いだとは気づくでしょうが、状況によっては「え、退職されたんですか?」と勘違いされるかもしれませんので、きちんと覚えておきましょう。

一緒に覚えておきたいのがworkという単語。こちらを使うときにはI will leave work at 5 o’clock.「5時に退社します」という風に冠詞を付けません。I will leave the work.とtheを付けてしまうと「その仕事を残していく」という意味になります

スピーチの総評のところで、ジローさんにofficeとthe officeの違いを説明すると、先輩社員がジローさんをからかい始めました。「今年の新人はやる気がないねぇ! 早々と退職の話かよ!」苦笑いしながらジローさん、I’m sorry. I will not leave office. I will leave the office early! (すみません、退職じゃなくて、退社を早くします!)と言っていましたが、筆者は早く終わりたい理由の方が気になりました。ジローさん、夜遊びはほどほどにね……。

箱田 勝良 英会話イーオン 教務部 チーフトレーナー

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はこだ かつよし / Katsuyoshi Hakoda

1972年静岡県熱海市生まれ。1995年筑波大学国際関係学類卒業、株式会社イーオン入社。

講師として、これまでに約1万人を教える。スクールの講師を経た後、法人部教務コーディネーターとして、多くの企業の研修カリキュラム企画と講師を担当。楽天の社員の英語力研修も担当した。TOEIC(R)テスト990点満点、実用英語検定1級。

学生時代には1年間の留学以外には海外経験なしで、日本に住み暮らしながら英語力を飛躍的にアップさせた。その自身の経験を基に、現在は教務部のチーフトレーナーとして、イーオン全体の講師の研修やカリキュラム立案に関わる。

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