Did you understand?(わかった?)と聞くと、「えーと……。あれ、この時は『知りません』?『わかりません』? I don’t know.と言いたいです」と聞かれてしまいました。
I don’t understand.(理解できない)じゃなくて、I don’t know.(理解できたかどうかわからない)だっただけ救いでしょうか。
秘密の部屋を求めて
通常、研修を始める前に、参加予定者のレベルチェックを行います。参加者のレベルによって、教材や教師、クラス編成などを調整していきますので、とても大切なステップです。
ある飲食系企業では、ビジネス英会話の研修を行うことになりましたので、面接スタイルでスピーキングレベルのチェックをさせていただきました。この研修では総勢30名強の参加者がいたので、カナダ人の同僚ジェーンとふたりでレベルチェックをすることにしました。半分ずつに人数を分けても15~6名。個別に10~15分の面接を行いますので、トータルで3~4時間かかります。途中休憩を入れるにしても、1時間半~2時間くらいは連続で面接をすることになります。
面接チェックの当日、面接の準備が開始の15分前に終わると、ジェーンが言いました。「ねえ、水を1本持ってきてはあるけど、念のためにもう1本買っておかない? 休憩まで部屋から出られないでしょう?」。それを聞いたその会社の人事担当者ヤマダさんが「2階の給湯室に自動販売機がございますよ」と教えてくれたので、筆者はジェーンと2人で予備の水を買いに行くことにしました。
エレベーターと階段、お手洗いを取り囲むようにぐるりと廊下があり、廊下の外周が部屋になっているというシンプルな構造。しかし、山田さんに「真っすぐ行って、右」と言われていたものの、真っすぐ行っても給湯室らしきものが見当たりません。結局そのまま廊下沿いに1周歩いて、元の場所に戻ってきてしまいました。ジェーンとふたりで顔を見合わせ、首を傾げました。「見逃した?」
もう1周回っても見当たらず、あきらめて戻ろうかと思ったときに、ちょうどエレベーターから女性社員が降りてきました。チャンスとばかりにジェーンが話しかけます。Excuse me.(すみません)と呼び止めると、女性が振り返ってYes. What’s your problem?。
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