野犬とキス。筆者が取った命知らずな行動
筆者が野犬の“ハレーム”を経験したのは、東ヨーロッパのジョージアから夜行列車に乗り、アルメニアに移動している道中だった。
私は出国手続きのため、駅のホームにあるキオスクのような建物で、係員にパスポートを提示する必要があった。列車を降りると、乗客が20名ほど先に並んでいた。私はバッグを背負い、この列に加わった。周囲には5匹くらいの野犬が尻尾を振り、嬉しそうに動き回っていたが、特に気にならなかったのには理由がある。
ジョージアでは日本で野良猫を見かけるより高い頻度で、寝転んだり走り回ったり、市内のあちらこちらで野犬の存在を確認できる。同国に渡航して4日目を迎えていた私は、野犬が生活圏にいることに“慣れ”てしまっていた。
ちなみに野犬の耳にはタグが付いており、これは行政が「狂犬病ワクチンを打ちましたよ」といった証明になっているのだが……2022年と2024年、同国では狂犬病による死亡者が報告されている。


















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