流行危機なのに「麻疹ワクチン」が足りない大問題 武田は自主回収、第一三共・田辺三菱は出荷制限
「麻疹ワクチンは打てますか」
ナビタスクリニック新宿で診察していると、毎日のように電話がかかってくる。そのたびに事務職員は、「現在、ワクチンの入荷待ちの状態で、しばらくお待ちいただけませんか」と回答している。
これは当院だけの話ではなく、日本中の医療機関で、このようなやりとりが繰り返されている。
なぜ、こんなことになるのか、本稿では、その背景について解説したい。
すでに感染者は去年の7割
まずは、麻疹(はしか)の流行状況だ。国立感染症研究所によると、国内の2024年の感染者数は20人だ(3月21日現在)。これは昨年の28人の7割に相当する。
今回の流行は、2月にアラブ首長国連邦(UAE)から関西国際空港に到着した人で感染が確認されたのがきっかけだ。
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