フェルメールの熱狂から追体験する、これまでの常識や固定観念にとらわれないプロダクト創り

常軌を逸した光の探究は、フェルメールの「熱狂」のなせる技
前回の連載では、「動」の光を追い続けた印象派の画家、クロード・モネを取り上げました。今回は「静」の光を探究し、「光の魔術師」の異名をほしいままにした、オランダの画家・ヨハネス・フェルメール(1632~75)を取り上げます。
フェルメールが世界中で称賛されるようになったのは、20世紀に入ってから。日本でも熱烈なフェルメールファンが多いのは周知の事実です。
筆者は幸運にも、2023年にアムステルダム国立美術館で開催された史上最大規模のフェルメール展を訪れる機会に恵まれました。フェルメールの現存作品数は、わずか三十数点と寡作ですが、そのうち28点も一堂に集まる貴重な展覧会でした。
フェルメールが繰り返し描いたのは、派手な歴史でも物語でもなく、穏やかな日常生活における何気ないひととき。さらに、静謐な室内に差し込む柔らかな光の美しさが際立っていると改めて感じました。
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