アートもビジネスも、創り手の「熱狂」が問われる! ダ・ヴィンチから学ぶ創造の原則

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モナ・リザ
レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》から、ユーザーに熱狂をもたらすプロダクトの創り方を考えていく(写真:VietImages/PIXTA)
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私たちは、ユーザーや顧客を夢中にするほどのプロダクトを創れているだろうか。継続的に支払いたくなるほど粘着性のあるサービスはあるか。そうでないとすれば、何を頼りに変革を進めるべきか。
経営学者の川上昌直氏は、近著『熱狂的ビジネスモデル』で、アートとそれにまつわるアーティストの態度から価値創造にアプローチしている。湧き上がる熱狂から、創り手自身と未来のユーザーに向けてまったく新しい価値を創造する「ビジネス・アートマインドセット(BAM)」という独自の概念を提唱する。
以下では、レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》を紹介し、ユーザーに熱狂をもたらすプロダクトの創り方を考えていく。

「熱狂」のない作品は伝わらない

これまでの記事では、ワシリー・カンディンスキーのたった一行のシンプルな一文「熱狂→感覚→アート作品→感覚→熱狂」からインスピレーションを得て体系化した「アートマインドセット」について述べてきました。

Kandinsky
(出所)Kandinsky,W.[1913]”Malerei als reine Kunst” Der Sturm 178/179: 98-99をもとに筆者作成

今回は、そのアートマインドセットをビジネスに転写するとき、いかに従来のビジネスの脈略とは異なってくるのかについて詳しく見ていきます。

アート作品には、必ず熱量が込められています。

創り手が感じていた「熱狂」が、その独特の「感覚」を通して「アート作品」となります。その後、「アート作品」を見た鑑賞者は、自身の「感覚」を通じて「アート作品」から何かを感じ取り、アーティストやアートについて深く探求し、アーティストが感じた「熱狂」を追体験することになります。

次ページ今回はダ・ヴィンチの有名な作品で解説
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