ユーザーはプロダクトの何に熱狂しているのか!? アーティストのマインドセットから学ぶ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
アート
アートの力は、ビジネスモデルをどのように強化できるのか(写真:TAKA/PIXTA)
この記事の画像を見る(5枚)
私たちは、ユーザーや顧客を夢中にするほどのプロダクトを創れているだろうか。継続的に支払いたくなるほど粘着性のあるサービスはあるか。そうでないとすれば、何を頼りに変革を進めるべきか。
経営学者の川上昌直氏は、近著『熱狂的ビジネスモデル』で、アートとそれにまつわるアーティストの態度から価値創造にアプローチしている。湧き上がる熱狂から、創り手自身と未来のユーザーに向けてまったく新しい価値を創造する「ビジネスアートマインドセット(BAM)」という独自の概念を提唱する。
以下では、アートの力がビジネスモデルをどのように革新していくのかを論じる。

現代のビジネス環境に求められる新しい価値創造とは?

『熱狂的ビジネスモデル: アートが見せる価値創造の未来』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

ビジネスモデルとは、「顧客が喜び、企業が利益を得る仕組み」を作り出すことです。顧客を満足させるだけでなく、企業が一方的に利益を得るのでもなく、その両方を可能にする、価値創造と利益獲得の変革を行うための考え方です。

ただし、すでに企業のプロダクトが素晴らしい成果を上げている場合、すぐに次の価値創造の変革に取り組むのは簡単ではありません。そのため、まずは利益獲得に着目し、価値創造を改革する余白を作り、最終的にビジネスモデルの改革をめざすことになります。

しかしこのとき、たとえば、単に販売モデルをサブスクリプション(継続購入)モデルに変更するだけではうまくいかないことが多いです。なぜなら、価値創造の方法が新たな利益獲得の方法に適応していないからです。

次ページなぜビジネスにアートなのか?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事