ビジネスの本質はクロード・モネの名画から学べ。100年続く熱狂的プロダクトの創りかた

モネは、なぜこれほどまでに多くの人々に愛され続けているのでしょうか(写真:木の葉/PIXTA)
私たちは、ユーザーや顧客を夢中にするほどのプロダクトを創れているだろうか。継続的に支払いたくなるほど粘着性のあるサービスはあるか。そうでないとすれば、何を頼りに変革を進めるべきか。
経営学者の川上昌直氏は、近著『熱狂的ビジネスモデル』で、アートとそれにまつわるアーティストの態度から価値創造にアプローチしている。湧き上がる熱狂から、創り手自身と未来のユーザーに向けてまったく新しい価値を創造する「ビジネスアートマインドセット(BAM)」という独自の概念を提唱する。
以下では、印象派の画家で、日本でも人気の高いクロード・モネの「熱狂」にスポットをあて、前回の記事で述べた「アートマインドセットが今のビジネスにこそ求められている理由」についても解説していく。
揺らめく「動」の光に「熱狂」し続けたクロード・モネ
東京・上野の国立西洋美術館で開催された『モネ 睡蓮のとき』展(2024年10月~2025年2月)は、最終的な入場者数は80万人を突破し、同美術館の歴代4位の記録となりました。筆者が訪れた日は、平日で悪天候だったせいか比較的スムーズに入れましたが、他の日は、開館前から長蛇の列ができるほど混雑していたようです。
印象派の画家、クロード・モネ(1840~1926)は、没後100年近く経っても、なぜこれほどまでに多くの人々に愛され、圧倒的に支持されるのでしょうか。
それは、彼の作品に込められた「熱狂」が、鑑賞者に伝播するからにほかなりません。
モネの晩年の情熱と創造性の象徴である「睡蓮」シリーズは、ジヴェルニーにある自邸の庭に作った睡蓮の池を題材にして描かれました。
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