ビジネスの本質はクロード・モネの名画から学べ。100年続く熱狂的プロダクトの創りかた

アート作品は、単に鑑賞されるだけではその役割を果たしません。アーティストの内から湧き出る「熱狂」は、その「感覚」を通して「アート作品」となります。その後「アート作品」を見た鑑賞者は、自身の「感覚」を通じて「アート作品」から何かを感じ取り、アーティストやアートについて深く探求し、アーティストが感じた「熱狂」を追体験します。アーティストの熱狂から、鑑賞者の熱狂へ。ここで初めてアートは、アートとしての役割を果たすことができるのです。
これをもとに、モネの「熱狂」を追いかけてみましょう。
アート作品を通したコミュニケーション
モネの生涯の中で、1872年頃、後の印象派となるグループを結成した頃を切り取ってみます。
モネは、産業革命後のパリの何気ない風景を、従来の様式にとらわれず自由に描きたいと思いました。これがモネの「熱狂」です。「動」の光を捉えることに熱狂し続け、筆触分割という革新的な技法を取り入れ、それは《印象・日の出》や《ラ・グルヌイエール》などの「アート作品」に結実します。
モネは仲間たちとともに印象派結成の基礎を築き、「第1回印象派展」と呼ばれる展覧会を開催し、『印象・日の出』を出品します。しかし当時は、歴史的・宗教的絵画に重きが置かれていたこともあり、風景や生活の一部を描いた絵は酷評されてしまいます。
一方、「アート作品」を見た鑑賞者は、これまでに類を見ない明るい画面に釘付けになり、「美しい」「明るくてきれい」などの形容詞的な表現でまずは「感覚」的に受け取ります。
その後、実は、この筆触分割の技法が絵画の革新的なアプローチであること、当世に必要な感覚で世界を表現していることを知ると虜になります。さらに、浮世絵や日本文化の影響を受けたことを知ることで、アーティストが感じた「熱狂」を追体験するのです。
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