ホルムズ海峡封鎖でナフサ不足が浮上、調達メドはGW前まで、化学品の生産・供給不安で影響必至、情報発信には苦慮
中東危機によるホルムズ海峡の封鎖を受け、石油化学製品の原料となるナフサ(粗製ガソリン)の調達に支障が生じている。3月下旬の段階でGW頃までは確保の見通しが立っているが、その先は各社の調達努力に委ねられた状況だ。
一定の状況説明は欠かせない一方、不安をあおりすぎれば混乱を招きかねず、国、企業とも情報発信の仕方に神経をとがらせる。
ナフサは中東依存8割超、2カ月で供給難
原油を精製して作られるナフサを、高温高圧下で分離することでエチレン、プロピレンといった石油化学基礎製品が得られる。ナフサから石化基礎製品を作り出す装置は「エチレンプラント」や「ナフサクラッカー」などと呼ばれ、湾岸の石油化学コンビナートの象徴的な施設とされる。
石化基礎製品からポリエチレンなどの誘導品が作られ、最終的にはプラスチックや樹脂、ゴムなど多様な製品へと姿を変える。自動車部品や家電のほか、食品包装用フィルムやビニール袋といった日用品、透析向けなど医療領域でも幅広く使われている。
国内のエチレンプラントで使われるナフサのうち、輸入原油を国内で精製して得られる「国産ナフサ」は39%、残り61%(2024年時点)は海外からナフサとして輸入している。
輸入ナフサのうち、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなど中東からが74%を占める。国内で年間に使用するナフサ全体では45%を中東からの輸入で賄っていた計算になる。国産ナフサの基となる原油の95%程度が中東からの輸入であることを合わせると、実質的に日本はナフサの8割超を中東に依存していると言える。
中東危機前、原油の国家備蓄は250日分あるのに対し、ナフサとしての国内在庫は2、3週間分だったとされる。国家備蓄の原油を精製してナフサを得ようとしても、ガソリン、軽油、重油といったほかの石油製品のほうが多く、ナフサそのものは約10%しか得られない。国内精製能力の制約もあり、中東からの輸入が途絶えれば、遠くない時期にナフサ不足が起きる懸念が浮上している。
赤澤亮正経済産業大臣は3月17日の閣議後記者会見で、中東以外からの輸入や国内精製分の活用によって「トータル国内需要の約4カ月分を確保可能」と説明したが、これは川下のポリエチレンなどの在庫を含めた計算であり、経産省の試算では、新たな効果的な調達策が打てなかった場合、ナフサ自体は2月で従来通りの供給はできなくなるとみられる。






















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