アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に伴い、イランがホルムズ海峡を事実上封鎖した影響が広がり続けている。ペルシャ湾岸諸国で産出される原油や天然ガスの供給不安だけではない。中国を含む世界の半導体業界では、チップの製造工程に欠かせないヘリウムガスの価格高騰や供給不足への懸念が高まっている。
ヘリウムは他の元素と反応しない極めて安定した希ガスであり、その大部分が天然ガスの副産物として産出される。世界有数の天然ガス産出国であるカタールのラスラファンには世界最大級のヘリウム分離・生成プラントがあり、世界各地の半導体メーカーにヘリウムガスを供給してきた。
ところが3月2日、カタールの国営エネルギー企業のカタールエナジーは、ラスラファンを含む工業都市が(イランからの)軍事攻撃を受けたため、LNG(液化天然ガス)および関連製品の生産を停止したと発表。それに伴い、副産物であるヘリウムガスの生産も継続不能になった。
人口合成も再利用もできず
ヘリウムガスは半導体製造のほかにも、MRI(磁気共鳴断層撮影)などの医療分野やロケットなどの航空宇宙分野で幅広く使われている。人工的には合成できず、リサイクルも事実上できないため、カタールの生産停止が長期化すれば影響は甚大だ。
「半導体の工場にはヘリウムガスの貯蔵タンクが設置され、露光装置の冷却、シリコンウェハーの温度管理、エッチングの温度制御などに使われている。日々の操業に不可欠な資材であり、他のガスでは代替できない」
業界団体の上海集成電路行業協会の馮錦鋒・副秘書長は、財新記者の取材に対してそう危機感をあらわにした。






















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