アメリカの大手紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2026年3月23日、米海軍佐世保基地(長崎県)に配備されている強襲揚陸艦「トリポリ」とドック型輸送揚陸艦「ニューオーリンズ」、米海兵隊キャンプ・ハンセン(沖縄県)を拠点とする第31海兵遠征部隊約2200人が27日に中東に到着する見込みで、さらに数日かけてホルムズ海峡に到達する予定だと報じた。
海兵隊は、イランが輸出する原油の9割が通るペルシャ湾の原油積み出し拠点であるハールク島(英語名カーグ島)などの、上陸作戦に投入される可能性がある。トランプ政権はハールク島を占領し、イランが事実上封鎖しているホルムズ海峡を、再開放させる交渉カードとしての活用を考えているという。
ただし、トランプ大統領は、21日(現地時間)午後に「48時間以内にイランがホルムズ海峡を開放しなければ、主要な発電所を攻撃する」という最終通告を発した後で突然、攻撃開始を5日間延期し、イランと協議すると表明した。
日本には陸海空自衛隊はいるが、海兵隊は存在しない。陸上自衛隊が18年に「日本版海兵隊」と呼ばれる水陸機動団を新設したが、海兵隊とは本質的な違いがある。
本稿では、アメリカとイスラエルのイラン攻撃をめぐる報道であまり理解されていない海兵隊の特質と、現在進められる島嶼奪還に向けた自衛隊の組織改革の課題を解説する。
陸軍との差異化にこだわる海兵隊
海兵隊のアイデンティティは水陸両用作戦にある。これは日本との戦争に備えて生まれた、海から海岸に上陸し島嶼を奪取する戦略コンセプトで、太平洋戦争ではガダルカナル、タラワ、ペリリュー、硫黄島における強襲上陸作戦として実現した。朝鮮戦争でも仁川上陸作戦で成功をおさめている。
ベトナム戦争や01年以降の対テロ戦争では地上戦や治安維持活動に従事し、陸軍との違いが曖昧となっている海兵隊だが、陽動で上陸作戦を行うなど水陸両用作戦にこだわり続けてきた。たとえば湾岸戦争では、揚陸艦に載った海兵隊部隊がイラク占領下のクウェート沖合から上陸すると見せかけ、イラク軍を海岸一帯に引きつけて、背後の砂漠からの多国籍軍主力部隊の進軍を援護する作戦を展開している。
また人道支援や災害救援に水陸両用作戦を活用、11年の東日本大震災では「トモダチ作戦」で、海から陸への部隊投入を成功させた。






















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