「限界マンション」になるのを防げるか…4月から変わる管理組合の運営

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(写真:うぃき/PIXTA)

わが国で最初に建てられたとされる民間分譲マンション「四谷コーポラス」(総戸数28戸)が1956年(昭和31年)に竣工してから、今年でちょうど70年になります。日本が終戦を迎えた11年後というわけです。当然ながら分譲価格は非常に高額で、一般庶民が手軽に買える住宅ではありませんでした。経済的余裕のある富裕層や、社会的地位の高い人たちが購入していたとされています。

それから半世紀を超える歳月が過ぎ、今日、分譲マンションは身近な居住形態として広く定着しています。国土交通省の推計では、2024年末時点でマンションストック総数は約713万戸に達し、国民の1割超が居住しているそうです。また、別調査である東京カンテイの集計では、2025年末時点の全国のマンション化率(総世帯数に占める分譲マンション戸数の割合)は13.22%となっています。現在、わが国では10世帯に1世帯超が分譲マンションに暮らしている計算です。

「2つの老い」に直面するマンション

しかしながら、長い年月を経るにつれて、分譲マンションは当初は予期していなかった数々の不具合を抱えるようになりました。もともと、1つの建物を多くの人が区分所有する分譲マンションには、区分所有者全体としての意思疎通や合意形成の難しさがあります。そのうえ、さまざまな利用形態が混在し、建物構造上の技術的判断には高度な知識が求められるため、多くの課題を内包するようになっています。

その最たる例が「2つの老い」です。土地利用の高度化の進展や、人々の職住近接志向の高まりなどを受け、大都市圏を中心に建設されてきた分譲マンションが、「居住者の高齢化」と「建物の老朽化」に直面しています。築40年以上の高経年マンションは2024年末時点で約148万戸に達し、すでに総ストック(約713万戸)の2割超を占めています。

しかも、その戸数は10年後(2034年末)に約2倍、20年後(2044年末)には約3.3倍になると国交省は推計しています。当然、経年に伴って建物や設備は老朽化・陳腐化を余儀なくされ、雨漏りや給排水管からの漏水、外壁などの剥落や鉄筋の露出・腐食などが避けられなくなります。

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