ビジネスの本質はクロード・モネの名画から学べ。100年続く熱狂的プロダクトの創りかた

19世紀前半になると、画家の描きたいテーマを描くというトレンドが生まれます。同時代の出来事をドラマチックに表現するフランシスコ・デ・ゴヤや、ウジェーヌ・ドラクロワなどに代表されるロマン主義が確立します。

さらにそこから、日常を飾らずに描いたエドゥアール・マネを含む写実主義へと前進します。それをもとに登場したのが、「雰囲気」や「感じるまま」を捉えた印象派と呼ばれるグループだったのです。

モネの絵を見て、「明るい色合いだな」と感じる人は多いのではないでしょうか。その代表格の1つとも言えるのが、《ラ・グルヌイエール》（1869年）です。

モネ《ラ・グルヌイエール》（1869年）（所蔵：メトロポリタン美術館、画像：Wikipedia［Public Domain］）

全体的にきわめて明るい画面に、水面に反射した光がまばゆいほどに表現されています。これは、筆触分割を駆使して生み出された作品なのです。色をできるだけ原色のまま画面上に置いていくため、混じり気のない明るい色調になるのです。

熱狂して描き続けた作品に、鑑賞者も熱狂を追体験する

ではここで、前回の記事でも述べたアートマインドセットの図を見てください。