都市再開発など大型プロジェクト中止が相次ぐ…人手不足だけじゃない、日本の建設費高騰を引き起こした「本当の原因」

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(撮影:今井康一)

建設費の高騰が止まらない。それによって都市再開発などの大型建設プロジェクトの見直しや中止が相次ぎ、日本経済にも深刻な悪影響を及ぼし始めている。

2025年12月には改正建設業法が施行され、建設技能者の適正な賃金を確保するための基準となる標準労務費が導入された。これにより、建設費には一段の上昇圧力がかかる見通しだ。

不動産協会(理事長・吉田淳一・三菱地所会長)は25年11月、日本建設業連合会(日建連、会長・宮本洋一清水建設相談役)に対して「建築費高騰等の問題に係る緊急申し入れ」を行った。発注者である不動産会社としては、建設業界や政府が公表するコスト上昇率と、元請けのゼネコンから提示される見積もり価格の上昇率に「大幅な乖離が見受けられる」との不満が高まっているからだ。

建設費の上昇に歯止めがかからないワケ

かつて建設業の施工能力が過剰だった時代には、過度な受注競争による建設価格の下落に歯止めをかけようと、受注調整を行う「談合」が行われ、建設業は社会的な批判を浴びてきた。一転して技能労働者の減少による施工能力不足に陥ったことで、建設費の上昇に歯止めがかからない事態となっている。

建設費高騰はゼネコンが「談合」してつり上げているわけではない。各社が施工能力に応じて受注工事を選別している結果であり、現状では施工能力不足を解消するしか解決策はないだろう。

「工事価格の上昇に歯止めがかからない。何とかならないものか」。1年ほど前、ある大手デベロッパーのトップが筆者にそう嘆いたことがあった。「そりゃ、これまで散々、建設コストを叩いて儲けてきたんですから、自業自得でしょう」と笑って答えると、相手は黙ってしまった。

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