都市再開発など大型プロジェクト中止が相次ぐ…人手不足だけじゃない、日本の建設費高騰を引き起こした「本当の原因」
筆者は2000年末に新聞社を退社してフリーランスになったあと「建設業の構造改革問題」を取材テーマとして記事を執筆してきた。当時は、建設談合が社会問題となっており、ゼネコン再編によって供給過剰状態を緩和することで受注競争を健全化し、建設価格の適正化を図ることが議論されていた。
1991年のバブル経済崩壊で、ゼネコンは不良債権を抱えて経営危機に陥っており、不良債権処理と再編統合をセットで進める必要性が指摘されていた。しかし、それだけでは建設業の構造改革は進まず、ゼネコン問題は根本的に解決できないと危惧されていた。
ゼネコン問題解決のため透明性確保が必要
その解決策として求められていたのが、建設工事におけるヒト・モノ・カネ情報の透明性の確保だった。そのことは約25年前に執筆したコラムでも書いたが、不動産協会が日建連に緊急申し入れを行う以前から課題となっていたわけだ。
モノ情報=建設費の透明性を確保するには、従来の材料費と労務費をまとめて工事価格を算出する「総価一括請負方式」を改めて、欧米で広く普及している「オープンブック・コスト+フィー」へ転換する必要がある。
東洋経済オンラインの記事「人手不足の深刻化でインフレが止まらない…建設業は日本独特の商慣習を見直しできるか」でも書いたように、発注者側もオープンブック方式に対応できるプロジェクトマネージャーを確保してコスト管理体制を整える必要がある。
カネ情報の透明性確保では、工事代金を適切に管理して下請け業者や建設労働者に代金を支払う「出来高払い制度」を導入することだ。2025年に開催された大阪・関西万博の建設工事では、いまだに工事代金の未払い問題が解決していないが、以前から資金繰りリスクを回避するためにも工事の進捗状況に合わせて工事代金を支払う「出来高払い」が不可欠だと言われてきた。


















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