有料会員限定

"悲運の麻布台ヒルズ" ゼネコン拡大路線の終焉 2024年問題をチャンスに変えねば衰退の道歩む

✎ 1〜 ✎ 21 ✎ 22 ✎ 23 ✎ 24
拡大
縮小

路線転換が求められている。

トーチタワーの建設現場
[トーチタワー]「高さ日本一の称号」を得られる超大型案件だが、資材高や労働規制強化などで採算の確保に懸念がある(撮影:今井康一)

特集「ゼネコン下剋上」の他の記事を読む

変革の意識が乏しく、昔ながらの慣習が数多く残る「レガシー産業」の建設業界に、時間外労働の上限規制の適用という「2024年問題」が襲いかかる。
『週刊東洋経済』3月30日号の特集は「ゼネコン下剋上」。変革ののろしが上がる。
週刊東洋経済 2024年3/30号(ゼネコン下剋上)[雑誌]
『週刊東洋経済 2024年3/30号(ゼネコン下剋上)[雑誌]』(東洋経済新報社)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

「建設業は『黒船』が来ないと業界構造を変えられない」。超大手ゼネコン幹部は言う。

黒船とは法改正などによる外圧のこと。長時間労働が蔓延する建設業界にとって時間外労働規制の適用は、まさに黒船が来襲したほどの影響がある。

日本のインフラ構築を担うゼネコンは、自社の技術を誇れる象徴的な大型案件を手がけることに心血を注いできた。「技術屋は『日本一の称号』にこだわる」(超大手ゼネコン幹部)。

だが、大型案件の数は限られる。受注できるかできないかの差は大きい。

そのため受注競争が激しくなり、工事代金のダンピング(不当な安値受注)と工期のダンピング(短工期の受注)という「2つの工事ダンピング」が半ば常態化することとなった。このように採算を二の次にするむちゃな受注が今、ゼネコンの経営をむしばんでいる。

ゼネコンから見ると「悲運の工事」

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
ゼネコン下剋上
迫る「時間外労働規制」、現場で広がる戸惑い
「どうせ無茶を言われる」建設下請け会社の本音
「2024年問題」を解決するカギはあるのか?
スーパーゼネコンを凌駕、「奥村くみ」の破壊力
「関西特有の事情」が建設工事の需給逼迫要因に
当初は「社員が辞める」とピーエス社内で反発も
アクティビストが「ゼネコンを標的」にする理由
2024年問題で大激変!ゼネコン業界の"下剋上"
古い慣習が数多く残るレガシー産業に変革ののろし
4月から残業規制、2027年以降はどうなる?
退職が続き、最後は代表1人になった会社も
工事現場3000カ所のほぼすべてにカメラを設置
両者を共に知る経営者が語る違いとDXの効果
初任給も最大11%増、男性育休取得率は100%
大手ゼネコンの下に位置すると見られていたが…
賃金は上昇傾向だが若者の流入不足が続く
新幹線延伸や再開発案件重なり道内は繁忙状態
コロナ禍前と比較、増加数トップはエクシオG
賃金、福利厚生が魅力?「若者が辞めない」建設会社
新たな取引先探す交流イベントが人気沸騰
2期前比で純利益を増やした会社、減らした会社
2期前比で純利益を増やした会社、減らした会社
PBRやネットキャッシュ倍率の低い会社を抽出
PBRやネットキャッシュ倍率の低い会社を総合評価
2024年問題をチャンスに変えねば衰退の道歩む
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内