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ゼネコンへ不満噴出、「下請け現場」の覆面座談会 「どうせ無茶を言われる」建設下請け会社の本音

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ゼネコンの言うことを聞かなければ仕事を減らされてしまう。そう恐れる下請け会社はまだ多い。

建設現場では時間外労働規制の適用を受けたゼネコンの動きを警戒する見方もある(写真はイメージ、撮影:今井康一)

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元請けのゼネコンを頂点に、重層多重構造を形成する建設業界。下請けの会社はこれまで、ゼネコンからの無茶な要求に応えてきたが、4月から適用される時間外労働規制下でそうした慣習は変わるのか。建設専門業の経営者や幹部4人に、胸の内を明かしてもらった。(個別取材を基に座談会として構成)
登場人物
Aさん:鉄筋会社の社長
Bさん:空調関連工事会社の幹部
Cさん:大手内装会社の社長
Dさん:別の老舗内装会社の社長

職人からは「いい迷惑だ」との声

――いよいよ時間外労働規制が適用されます。現場ではどのような声が出ていますか?

Dさん:われわれは立場が弱い。下請け会社とゼネコンは1対9ぐらいの力関係と捉えてくれてよい。「規制の適用でどうせ無茶を言われるが、受けざるをえない」といった声が出ている。

Bさん:規制適用について、職人は「いい迷惑だ」と言っている。ここ数年、お役所(国)の規制が厳しくなっている。社会保険の実質的な加入義務化、インボイス制度の導入、そして今回の時間外労働規制の適用。とくに、大手ゼネコンは法制度にきちんと対応していることもあり、(条件が厳しくて)職人を集められない。

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