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五洋建設・清水琢三社長「M&Aによる規模拡大は考えず、強みを生かしていく」、洋上風力作業船は2隻の追加建造も検討

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清水琢三(しみず たくぞう)/1958年生まれ。東京大学大学院工学系研究科修士課程を修了、83年五洋建設入社。2009年執行役員、12年取締役兼常務執行役員、14年代表取締役兼執行役員副社長。14年6月より社長。マリコンの業界団体「日本埋立浚渫協会」の会長などを務める(写真:今井康一)
マリコン(海洋土木)最大手の五洋建設は、防衛関連などの工事需要増を追い風に業績を急拡大させている。2026年3月期第3四半期累計(4~12月)の純利益は290億円となり、期中にもかかわらず20年3月期に記録した過去最高の純利益(233億円)を上回った。通期の会社計画では前期比約2.5倍の320億円を見込む。
今後の成長ドライバーとして投資を積極化しているのが、洋上風力発電施設の建設に向けた大型作業船の建造だ。ただ、三菱商事連合が発電事業を予定していた秋田・千葉県沖の3海域から撤退し、先行きには不透明感も漂う。好調な業績の背景、そして今後の成長戦略について、清水琢三社長に聞いた。

――業績が好調です。受注環境をどうみていますか。

土木は国土強靭化や防衛関連の工事が増えている。防衛分野では、工事を請け負っている鹿児島県の馬毛島や沖縄県のキャンプ・シュワブに加え、米軍の軍港移転や自衛隊の基地強化などの需要が非常に強い。少し波はあるかもしれないが、この流れは30年ごろまで続くだろう。

建築は工場やデータセンター、物流倉庫の需要が旺盛で、年間3000億円超の受注が続いている。当社は2000億円以上で採算が悪くなるという「2000億円の壁」があったが、(全社的な施工能力の向上など)若手も含めて力がついており、順調に増やせている。

洋上風力事業が大きな柱に

――高市早苗政権の誕生後、株価が上昇基調にあります(2月12日に上場来高値2257円を記録)。国土強靭化や防衛関連の投資拡大への期待がありそうです。

海外で大型損失が複数発生し株価が低迷していたが、25年3月期の決算発表で(赤字工事などの悪材料が)おおむね出尽くしたことで株価が上がってきた。また、洋上風力の作業船建造に設備投資を行う中でも、増配や自社株買いを着実に実施していることが評価されたと考えている。そこに防衛力強化へ向けた国の投資が重なったことも後押しとなっている。

 ――5月に発表予定の27年3月期~29年3月期の新中期経営計画では、もう一段高い業績目標を据えるのか、方向性を教えてください。

海外の損失や国内の採算の悪い工事などで、売上高の拡大に利益の拡大が追いついていないことが問題意識としてある。利益率を上げるため、土木と建築が一緒に取り組む「部門間連携」をさらに進める。防衛関連工事では土木や建築の区別がない面があるが、日本のゼネコンの中では、一緒に取り組めるのが当社の特徴だ。加えて、BIM(3次元設計)をはじめDXを強化していく。

これから先は洋上風力が1つの大きな柱になると考えている。事業量が増えていく中、建設業は資格者がいなければ仕事ができないため、採用を強化してきた。会社全体の年齢構成は20代が30%を超えており、これから必ず大きな力になっていく。

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