リストラせずにハンズは黒字体質に
――初の大型買収となったハンズは25年2月期に最高益を更新しました。買収から4年が経ちますが、何が収益立て直しに寄与したのでしょうか。
業績が長期的に低迷し、とくに買収直前の当時はガクンと落ちていた。赤字からの脱却に時間はかけられず、スピード重視でとりかかった。
取り入れたのは、基本的なチェーンストアのオペレーションだ。例えばカインズでは、ある作業に費やす標準時間を決めて管理している。長く時間がかかっている店舗はすぐわかる。だが、ハンズでは店舗によって同じ作業にかける時間がバラバラだった。
いずれも当たり前に聞こえるかもしれないが、ハンズでは定着していなかった。不動産会社の傘下で(編集部注・ハンズの旧親会社は東急不動産ホールディングス)、学ぶ機会が少なかったのではと思う。
ハンズでは各店舗の店長が、おもしろいと思った商品を仕入れて販売する個店主義が浸透していた。それ自体は決して悪いことではないが、仕入れるからには、その店でちゃんと売り切らないといけない。でも、仕入れた店舗で売り切れずに在庫として残り、対策も打てていなかった。
――店舗オペレーションから商品調達、売り方までの工程を見直したことで、収益体質を変えられたと。
うちが買収する前に何店舗か閉めていたこともあり、売り上げはコロナ前の水準にまで戻っていない。でも、(カインズによる子会社化後)人員や店舗を減らすといったリストラはいっさい行わずに最高益を出せた。
ユニークな価値がある店を多店舗化するのは、どんな小売業でもすごく難しいこと。そこでもがき苦しんでいた30年だったのかなと。チェーンストアとしての土台をまずはしっかり作ったうえで、ハンズらしさのようなユニークなものを乗せていく。そういう順番で物事を考えて、集中的に(改革に)取り組んできた。
26年2月期も、前期実績を超えていきそうだ。足元ではインバウンドなどの追い風もあったが、こんなに買収がうまくいくことはそうないのではと思うほど、よい結果につなげられた。






















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