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キリンHD社長「第2、第3のプラズマ乳酸菌」への熱意、酒税一本化を控える中、健康・医療事業強化で収益源の多様化図る 

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南方健志/みなかた・たけし 1961年生まれ。84年東京大学農学部卒業、キリンビール入社。ミャンマー・ブルワリー社社長、協和発酵バイオ社長、協和キリン取締役、ヘルスサイエンス事業本部長などを経て2024年から社長。(写真:尾形文繁)
国内ビール大手のキリンビールを傘下に持つキリンホールディングス(HD)。ヘルスサイエンス(健康関連)事業と飲料を、酒類や医薬に並ぶ収益柱にすることを2035年までの長期経営構想として掲げる。25年12月期決算では、独自素材の「プラズマ乳酸菌」などを中心とするヘルスサイエンス事業が、初めて黒字化した。
競合のアサヒグループホールディングスは酒類での海外進出を促進、サッポロホールディングスも不動産売却を加速し酒類への集中を進める。その一方で、キリンHDは収益源の多様化を図る。同社が目指す将来像について、南方健志社長COO(最高執行責任者)に聞いた。

 

――2月にバーボンウイスキーのアメリカ・フォアローゼズ社を現地酒類大手のE.&J.ガロワイナリー社に売却することを発表しました(譲渡実行日は26年12月期第2四半期計画)。なぜ、老舗ブランドを手放すのでしょうか。

単純に言うと、この先100年を考えたとき、酒類事業の「一本足打法」ではいずれ限界が来るだろう、ということだ。

将来の社会を見据えると、酒類事業は健康志向の高まりや先進国での人口減少など市場の逆風もあって、よほど地域を拡大したり大きな買収をしたりしない限り、スケールアップを図るのは厳しい現実がある。

一方で、健康に対するニーズは途絶えることはない。酒類以外でわれわれがビール造りで培った発酵バイオの技術が生かせる領域は、ヘルスサイエンスこそが、成長でき世の中に貢献できる領域だと考える。

無理やり医薬やヘルスサイエンスに出ていったわけではなく、自分たちが持っていた技術の応用先が自然発生的に広がっていった結果だ。

健康食品市場は世界的に伸びている

――2月に発表した長期経営構想の中では、「飲料・ヘルスサイエンス事業」で35年に事業利益1500億円の目標を掲げました(25年度は飲料事業とヘルスサイエンス事業の合計で788億円)。

トップラインを上げていくことが大事だ。健康食品市場は世界的にまだまだ伸びているが、それ以上にわれわれが成長していかなくてはならない。

そのためには、新商品の創出やイノベーションも含め、さまざまなトライアルに取り組んでいくことが重要だ。特にヘルスサイエンスは、イノベーションを起こし続け多少失敗してもそこから学びを得て、スピードを出していくことが求められる。

事業ポートフォリオを大きく変えている今、ヘルスサイエンスはいちばん大事な時期であり、われわれも資源を集中していく考えだ。

――プラズマ乳酸菌については、25年は280億円を売り上げ、成長を牽引しました。長期目標の達成に向けて、さらにどの部分を強化しなければならないのでしょうか。

「第2、第3のプラズマ乳酸菌」を生み出すことができれば、新しい健康のソリューションとしてお届けできる。ただ、プラズマ乳酸菌を発見するのにもそうとう時間がかかった。ヘルスサイエンスでは、35年までに既存のアセットだけで事業利益500億円(25年度は111億円)を目標としているが、それぐらいの緊迫感で進めていかないといけないという危機意識の表明でもある。

海外展開も重要だ。26年4月には「キリン・ヘルスサイエンス・インターナショナル」という会社をオーストラリアに設立し、東南アジアやオーストラリア、ニュージーランド、中国、香港など、それぞれの国や地域に合った健康課題のソリューションを開発し、提案していくつもりだ。

さらに、ファンケルの海外展開をオーストラリアの健康食品メーカー、ブラックモアズのチャネルを使って広げることや、スキンケアという新しいカテゴリーをどう展開していくかなど、さまざまな角度からアプローチして数字を上げていく。特に東南アジアは人口も増え、若年層も多く、健康意識が高まっているのでチャンスは大きい。

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