
The b 赤坂の共用ラウンジ兼朝食スペース。「都会の隠れ家」がデザインコンセプトだ(写真提供:イシン・ホテルズ・グループ)
以前泊まったことのあるホテルチェーンに再び宿泊したものの、内装やサービスがまったく異なり「同じブランドなのに違う」と違和感を覚えた経験はないだろうか。実はこれは怠慢ではなく、企業の明確な戦略かもしれない。連載「ビジネスホテル、言われてみればよく知らない話」第18回では、ホテルブランド「the b」を運営するイシン・ホテルズ・グループの、コスト削減と顧客満足を両立させるビジネスモデルに迫る。
業界の非常識「0日休業リブランド」を実現
2023年12月、大阪・新世界で驚く出来事が起きた。前日までA社ブランドで営業していたホテルが、翌日には「the b 大阪新世界」として営業を開始したのだ。
一般的なホテルのリブランドでは、少なくとも3カ月の休業期間を設けて改装工事を行うのが常識とされている。しかし、この「the b」ブランドを運営するイシン・ホテルズ・グループは、「0日リブランド」という手法を実践した。家具はそのままに、スタッフには事前に近隣のホテルで研修を実施。基幹システムは事前に準備し、リブランド後にA社から一部予約データを移行させて切り替えたのだ。
「なぜそんなことができるのか?」
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