パンデミックで一時は低迷した宿泊産業。しかしコロナ禍が明け、現在、ホテル業界は再び活況を迎えている。客室のほか、レストランやスパ、宴会場などを備えるホテルは、これまでも時代とともに変化し、新しい価値を提供し続けてきた。近年はインバウンドの影響により多様化も進んでいる。
今回は「サービスの最高峰」ともいえるホテルの進化と価値づくりについて、星野リゾートで旅館再生事業を経験した林田研二氏の著書『ホテルビジネス』から、一部を抜粋してお届けする。
日本のビジネスホテルの始まり
みなさんも街なかでよく見かけるホテルの看板に「アパホテル」「東横INN」「ルートイン」「ドーミーイン」などがあると思います。
これらは一般的にビジネスホテルと呼ばれ、日本独自の発展を遂げてきました。それぞれの特徴は後述しますが、まずはビジネスホテル誕生の歴史を紐解いていきましょう。
日本のビジネスホテルの起源は、1920年代に京都で創業した「法華倶楽部」とされています。
当時、旅館が主流だった宿泊業界において、低価格で個室を提供するという斬新なスタイルで注目を集めました。その後、東京や大阪にも進出し、ビジネスホテルの先駆けとしてその名を広めました。
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