"すべては眠りのため"ホテル「レム」に見る本気度 発祥は日本、加速する「進化系ビジネスホテル」

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ホテルの特徴は、最上階に展望露天風呂を設けていることです。サウナと水風呂も併設しています。近年のサウナは、大型化やロウリュウの導入、眺望を楽しめる施設を作るなど、単に「整う」だけでなく、空間体験価値を高めています。

朝食は、冷凍食品を温めて並べるだけのビュッフェではなく、ほとんどを手作りによるオリジナル料理にすることで、付加価値を提供しています。

客室はデザイン性の高い設えを施し、あたかも5つ星ホテルに泊まったかのようなグレード感を、4つ星ホテルの料金で楽しめます。

人材採用・育成にも定評

カンデオホテルズは人材採用・育成にも定評があります。原則、新卒採用はしていません。社会に出て何かしらの思いを持っている人のほうがよいという考えがあるからです。

一般的な人事戦略では、学歴、職歴、実績などで優秀と判断された人が選ばれます。

しかし、カンデオグループでは、あとから変えられない学歴、性別、国籍、職歴、年齢では差別も区別もしていません。やる気があれば活躍できる場を提供する。それが経営の根幹です。

ホテルで働いた経験のない人も多く応募しており、やる気のある人はどんどん実力をつけていきます。例えば、「入社1年目だからこの仕事はまだ早い」ではなく、「やってごらん」というスタンスです。

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仲間の能力を未来進行形で捉え、今の実力ではなく、未来に向けてどのように伸びていくかを見据え、チャンスを与える方針です。

入社3年目で年商20億円のホテルのヘッドを担っている社員も生まれています。やる気のあるスタッフには、細分化された業務ではなく、まずは1店舗の経営全体を、さらにチェーン経営を担わせています。

人事評価には大枠の定義はありますが、スタッフが評価する仕組みも取り入れています。

カンデオのフィロソフィーである「仲間のために頑張れるか」「人間としてあるべき姿でいこう(道徳心に基づいて行動できるか)」を体現できる人材であれば、たとえ目立たなくても仲間が推薦状を出してくれます。

逆にプレゼン上手で私心にまみれているようなタイプには、出直すよう説いているそうです。

林田 研二 株式会社オータパブリケイションズ執行役員/月刊HOTERES編集長

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はやしだけんじ / Kenji Hayashida

大学院卒業後、星野リゾートにて旅館再生事業に従事。再生旅館の支配人を経験。リゾート運営会社にて15施設の総括責任者、飲食事業責任者、ベンチャー起業を経て、2017年オータパブリケイションズに入社。地方自治体やDMOでのホテル誘致委員や研修講師、民泊などを含む多様な宿泊施設の運営サポートに従事。

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