「ホテルニューオータニ」新しい顔はアイデアマン 開業60周年を前に22年ぶりとなる総支配人交代
国内系屈指の名門ホテル「ホテルニューオータニ」(東京都・千代田区)で22年ぶりに総支配人が交代した。同ホテルを長年支えてきた清水肇氏(68)が退き、髙山剛和氏(52)が7月16日付で就任した。今年9月の開業60周年という節目を前に、5代目の総支配人が誕生した。
ニューオータニは「帝国ホテル 東京」「オークラ東京」と並び、「ホテル御三家」に数えられる。1474の客室を設け、37軒のレストランを構えるなどホテルの規模は都内でも最大級だ。
総支配人はホテルの宿泊、宴会、レストランなどすべての部門を統括するホテルの「顔」といえる存在。20年以上にわたり舵取りしてきた前任の清水氏は、ホテル・イン・ホテル(ホテル内で運営する別ブランドのホテル)の「エグゼクティブハウス 禅」を導入するなど、業界では言わずと知れた名物総支配人だった。
ナイトプールの立ち上げなどを担当
他方、髙山氏はニューオータニの「アイデアマン」として知られる。直近では、ホテル業界で初となる結婚紹介所事業を立ち上げた。成婚すれば、ニューオータニでの挙式につなげることもできる。髙山氏によると「結婚相談所への新規入会、成婚ともに順調で、当ホテルでの挙式にもつながっている」。
ほかにも多くのホテル業界初の取り組みに関わってきた。
1998年に高級洋菓子ブランド「ピエール・エルメ・パリ」の世界第1号店がニューオータニ内にオープンした。その際にピエール・エルメ側と連携し、ブランド発信など販売促進を務めた。髙山氏は、「ファッションのように季節に合わせて(スイーツの)新作コレクションを発表した。当時のスイーツ業界では画期的なことだった」と振り返る。
1999年にはナイトプールの立ち上げを担当した。ニューオータニはナイトプールを初めて営業した「元祖」とされる。「海やリゾートではないけれど、仕事帰りに日焼けをせずに楽しめるものとして始めた」(髙山氏)。
名物総支配人から引き継ぐバトンが重いことは間違いない。だが、これ以上ないタイミングでの交代になったといえる。
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