そして2つ目が、マーケットの回復です。「女性の1人旅」や「インバウンド客」などの新規需要が後押しし、稼働率一辺倒から客室単価の向上へ戦略転換が進んでいます。
「単に泊まるだけのホテル」からの脱却が最重要課題となっているのです。機能やサービスを充実させて差別化する動きが相次いでおり、「滞在を楽しめる」ことに需要が高まっています。
この動きはアッパーアップスケール(高級価格帯ホテル)とアップスケール(上級価格帯ホテル)において、開発が活発になってきています。高級ホテル並みのデザインや質の高い什器類、飲食施設は持たず、あくまでも客室の販売に特化した戦略です。
業界で話題になったホテル
次に、進化系ビジネスホテルとして、業界で話題になったホテルについて、そのキーワードとともに説明していきます。
阪急阪神ホテルズが展開する宿泊主体型ホテルブランドに「レム」があります。お客様に五感を通じて「よい眠り」を実感していただけるよう、ホテルエントリーからチェックアウトまで、すべてが眠りのためにデザインされたホテルです。
全室にマッサージチェアやレインシャワーを設置しているなどの特徴があります。
さらにこのホテルは、客室の構造面でも業界にセンセーショナルを巻き起こしました。通常は水まわりを廊下側に設置するのですが、高層階のシングルルームでは、窓側にシャワーブースやトイレ、廊下側にベッドを配置したのです。
また、ワンランク上の新ブランド「remm+(レムプラス)」が2019年に銀座に開業したことも話題となりました。
ホテル最上階のスカイスパ(展望露天風呂)、自慢の手作り朝食には多彩なビュッフェ「カンデオホテルズ」は、「唯一無二の4つ星ホテル」をコンセプトとして登場しました。
創業者である穂積輝明氏は自ら全国のホテルを巡るなかで、ほどよいホテルがないと気づき、“新たな需要を満たす4つ星ホテル”として事業をスタートさせました。
それまで開発と運営を行う事業に携わってきた経験から、建物とオペレーション両方の価値を重視。ホテルとしては後発ながらも、現在建設中のホテルを含め、日本国内で5770室を展開しています。
ブランド名のカンデオ(ラテン語で「光り輝く」の意)には、「お客様に光り輝いていただきたい」という意味があります。
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